ウィガン全く関係ないです()

http://sportsillustrated.cnn.com/soccer/news/20130812/as-roma-american-owner-james-pallotta/


  
 上記URLから抜粋させていただきました。アメリカ人が見るASローマということで、非常に面白いものとなっております。ラメラ売却で揺れるロマニスタさんたちにとって、この記事がどういう意味を持つのかはわかりませんが、是非どうぞ。この記事に出てくるタッロ君が普通に来季ローンに出されるのがなんか皮肉な感じではありますが…

James Parrota①

 James Pallotta
。ボストンからやって来たアメリカ人オーナーは、ホテルのエレベーターでJunior Talloと遭遇した。イヤホンをつけて音楽を聴いていた20歳のコートジボワール出身の青年に、彼はこう声をかけた。

 

「何を聴いているんだい?」

 

 Talloは彼の特徴的なアクセントでの質問について少しの間考えて、答えようとした。そんなTalloに対して彼はアイポッドを少し見ると言った。

 

「おっ、Lil Wayneじゃないか」

 

 自然に彼の口からラップのリリックが溢れだす。その曲は「Love me」。

 

 Talloも笑顔を見せた。

 

「実は日曜日に、Jay-Zに会ってきたんだ。私のプレイリストを今度君に送るよ」

 

 

 数か月前、彼はこの若きコートジボワール出身の若者とのコミュニケーションについて我々に説明した。

 

「これはチームで、彼は私の家族だ。決して選手は契約を結んだだけの奴隷ではない」

 

「なぜ多くのフットボールクラブがこうした概念を見失っているのか…。彼らはまだまだ子どもだ。アルゼンチンやブラジル、クロアチアといった異国からローマに移り住んできて間もない子どもだ。彼らを世話し、家族の一員であると感じさせてあげなければならないんだ」

 

 ボストン北部の「アメリカで最もイタリア移民が多い町」とまで言われる地域で生まれ育った彼は、イタリアの文化に慣れ親しんでいる。そして今彼はイタリアサッカー界で唯一の外国人オーナーとなり、それを誇りに思っている。

 

 実は先週、イタリアサッカー協会の会長であるGiancarlo Abeteは、海外からの投資者たちの接近について否定的なコメントをしている。

 

「伝統が失われてしまうようなことはイタリアサッカー界にとって悲しいことだ」

 

 しかしグローバルスポーツの観点に立てば、パロッタは成功への道を歩んでいると言っていい。過去ローマがどうしても脱しきれていなかった、忌むべきプロビンチャ的気質を乗り越えるために。コスモポリタン(世界主義的な)チームが作り出されていることは、チームを見れば理解出来るだろう。ルディ・ガルシア新監督はスペインにもルーツを持つフランス人だし、選手たちも多国籍だ。他のセリエAのライバルたちもポストモダン的な地縁主義からゆったりと脱出しつつある中で、ローマは革新的な変化を遂げている。

 

「もはやヨーロッパのフットボールにおいて、単にグローバルなマーケティングは『利益を得る』ためのものではない。それは必要不可欠で、あることが当たり前なものなのだ。」パロッタは続ける。

 

「最早21世紀のフットボール界で、こうした努力なしで生き残ることは不可能だ。スタジアム、ソーシャルメディア、スポンサー、ブランド…こういったものは最早『スポーツにとって、生き残るために向き合うべき現実』なんだ」

 

ローマ帝国から1500年、パロッタが望むのは単なるスクデットではない。彼はASローマで世界を征服し、ゆくゆくは生まれ故郷であるアメリカにも手を伸ばすつもりだ。ディズニーやナイキとのスポンサー契約、ユース組織の整備、アメリカやカナダで開催されたツアー。これらは単に「始まりに過ぎない」。

 

 パロッタにとって、スポーツ界への進出は初めてではない。2002年に購入したNBAのボストン・セルティックス、このチームは大きな躍進を遂げた。

 

 現在はパロッタの下で投資などの経営面に携わっており、以前はNBAで働いていたSean Barrorは語る。

 

「ジムのチームが入ってきた際、最初は混乱が大きかったようだね。強烈なブランド力としっかりしたファン層があるにも関わらず、彼らは非常に苦しんだ。しかしビジネス的な視点から言えば、初年度から数年は基盤を作るべき時期だ。チームの本物の価値を知らしめる前には、基盤が必要ということさ」

 

 2008年、セルティックスは優勝。2年後には再び全米の頂点に立つ。

 

 Barrorは続ける。

 

「マーケティング、スポンサーの観点から、私はアメリカで働きながらボストン・セルティックスのノウハウをローマにも取り入れるつもりです。床がしっかりと出来上がれば、ピッチ内で起り得ることの天井も大きく上昇する」

 

 いくらローマが有名クラブとは言っても、ピッチ上の成功は簡単ではない。セリエA優勝はわずかに3回で、最近のスクデットは30年近く前だ。ロマニスタにとってそれはイライラする頭痛の種だが、パロッタにとっては成功のチャンスのようなものだ。

 

「ローマはブランド的に世界で一番過小評価されているクラブだ。我々が上手くやれば、ローマは凄まじい利益を生み出すクラブとなるだろう。これは驚くべきチャンスなのだ」

 

 現在ローマは、世界で最も収益をあげている20のフットボールチームというリストにはいない。とはいえパロッタは、ポートフォリオをしっかりと描いている。彼はサッカーの大ファンではないものの、ローマに眠る大きな可能性を見つけ出しているのだ。彼はローマに「ルネッサンス」をもたらそうとしている。

 

「多くの観光客、素晴らしい歴史、情熱的なファン…こういったものがあるからこそ、新スタジアムの建設などに着手しながら、私はローマを世界有数のクラブに変えていく必要がある。世界の多くの人々は何故我々がASローマであるかを知らず、『最近ACローマはどうだい?』といった会話をしている。」

 

 世界ではやはりACミランのブランド力が影を作り出しているということだ。

 

「ローマをブランドとして打ち出していかなければならない。ローマは無限の可能性を持っているのだから」

 

 もちろん、変革には危険も付き纏う。先月にローマが新しいロゴを発表した際には多くのファンから反対の声が寄せられた。しかしASローマのその伝統へのこだわりが、彼らの栄光を拒んでいるという見方も存在している。

 

パロッタは言う。「セリエAの失敗は、長期的な視点が欠けているということにある」と。

 

Barrorも同様に、「ここ20年、しっかりしたプロジェクトが欠けていたことがセリエAの問題だ」と主張している。

 

 例えばセリエAで自前のスタジアムを持っているのはユベントスのみ。イタリアのスタジアムは近代的ではなく、収入を得る仕組みもなく、危険なスタジアムも多い。

 

Barrorはスタジアム問題についても言及している。

 

「檻のようなスタジアムにファンを閉じ込めれば、彼らは動物のように振る舞って暴れることでしょう。我々がすべきことは、しっかりとしたアクセスや入口を整え、ホームとアウェイのファンが衝突しないよう区分することです」

 

 ローマはスタジアムの模範を作ろうと動き出している。SSラツィオと共同で使用していたオリンピコから離れ、60000人規模のスタジアムを作成しようと計画しているのだ。フィウミチーノ空港とローマの下町のどちらからもアクセスが良い場所に建設予定の新スタジアムは、2016年に建設終了する予定だという。ロサンゼルスのステイプルズ・センターのように、アメリカ式にスタジアム周辺が一大アミューズメントエリアと化す…彼らはそういった絵を描いている。

 

 パロッタはアメリカのメジャーリーグサッカーの周知を大きく助けたYoutubeのチャンネルであるKICK TVへの投資者でもある。彼はアナログ的なテレビビジネスではなく、より世界的に利益を得る方向へとシフトしていくだろう。彼らはラプターズからそのノウハウを学んでいく事も出来る。

 

 ローマファンだけでなく、選手たちも新しいローマを学んでいる。MLSオールスターズとの試合後にマイケル・ブラッドリーはマネージメント的な観点からコメントをしている。

 

「パロッタ会長から得た最初のものは情熱や運営、何かを作り出そうとする強い意志です。そしてそれはヨーロッパのサッカー界で特別な存在になるためのものです。選手としては、当然野心的なクラブでプレーしたい。全ての人間がローマでは、何かを作り出そうと精一杯やっております。だから今我々の全員が、ASローマの一員であることを認識し、それを楽しんでいるのです」